「長野県防災」公式Twitterが今、すごくがんばっておられます。
なぜ「長野県防災」公式Twitterを取り上げるのか?
なぜ長野県防災を取り上げたかを説明する前に、こちらの記事を読んでみてください。日本列島を縦断している台風19号に対して、それぞれの自治体はどんな発信をしていたか、を抜き出したものです。
そして、長野県防災のツイートを以下に抜き出してみます。
「長野県防災」公式Twitterが発信し続けた大事
10月14日午後1時
【松本~上田間の交通情報について】
国道254号(含 #三才山トンネル有料道路 )は、病院関係者(通院する方、医師、看護師など)と地域の方のみ通行可能です。(普通車のみ)
生活道路を迂回路としているため、不要不急の通行はお控えください。— 長野県防災 (@BosaiNaganoPref) October 14, 2019
先ほどの三才山病院へのアクセスに関する情報に誤りがありましたのでお詫びし訂正いたします。
— 長野県防災 (@BosaiNaganoPref) October 14, 2019
10月14日午前6時
#台風19号長野県被害
本日、6時ころから穂保、赤沼地域等を中心とした捜索隊による救助活動を実施します!捜索隊も皆様を全力で探し、救助するため全身全霊をかけて活動しています。ご自宅や施設等で救助を待たれている皆さん、大丈夫です!必ず助けに行きます!— 長野県防災 (@BosaiNaganoPref) October 13, 2019
10月13日午後8時
#台風19号長野県被害
夜間も救助活動を継続しています。
取り残されてしまっている方の情報などがありましたら、住所、人数、年齢、性別などわかる範囲で情報提供をお願いいたします!救助を待っている方は、救助隊が近くを通ったら光や音、白い布を振るなどして、自身の居場所を知らせてください!
— 長野県防災 (@BosaiNaganoPref) October 13, 2019
10月13日午後7時
皆様から多くのTWをいただいております。ありがとうございます。人命救助を最優先する中で、どうしても御要望に応えられない点もございます。出来る限り尽力させてもらってます。それでも悔しいです。我々も全て応えたいです。何卒ご容赦いただけますと幸いです。
— 長野県防災 (@BosaiNaganoPref) October 13, 2019
10月13日午前10時
どなたか、この方のいる場所がわかる方いますか?もし、ご本人様が見ていたら、無事の旨をお伝えください。
豊野町のどこなのなのか、教えてください!#拡散希望 #長野県 #台風第19号 https://t.co/pauqV5Rfnb
— 長野県防災 (@BosaiNaganoPref) October 13, 2019
ほかの自治体の投稿と読み比べてわかること
少し抜き出してみます。
実例1
火災情報 10/13 18:39 https://t.co/SUcNq6Xi65
— 八戸市 (@HachinoheCity) October 13, 2019
取手市メールマガジン・緊急防災情報https://t.co/rppAiO1IEc
— 取手市 (@toride_city) October 13, 2019
実例2
災害発生情報
こちらは防災まつしま広報です。
松島町よりお知らせします。町内全域に警戒レベル5、災害発生情報を発令しています。
無理な避難はせずに屋内の2階に移動するなど身を守る最善の行動をとりましょう。— 宮城県松島町 (@TownMatsushima) October 12, 2019
千曲市【防災・火災情報】
千曲市災害対策本部からお知らせします。
警戒レベル5
雨宮、土口、生萱付近の堤防が溢水しています。
周辺の方は命を守る行動をしてください。— 千曲市防災情報 (@chikuma_bosai) October 12, 2019
実例3
#台風19号長野県被害
本日、6時ころから穂保、赤沼地域等を中心とした捜索隊による救助活動を実施します!捜索隊も皆様を全力で探し、救助するため全身全霊をかけて活動しています。ご自宅や施設等で救助を待たれている皆さん、大丈夫です!必ず助けに行きます!— 長野県防災 (@BosaiNaganoPref) October 13, 2019
解説
実例1は自動的に送られてきた情報をツイートしているように見えます。どちらもクリックしなければ次の情報にたどり着けない仕様になっています。
実例2は届いた情報をもとに担当者が読みやすく加工して発信されたものです。注意点も添えられています。
実例3は情報を読みやすく加工した上で、被災者を励ます内容が投稿されています。
投稿内容の構造を分解すると、
- 実例1 情報を機械的にそのまま投稿した
- 実例2 情報を加工して読みやすくした
- 実例3 情報を加工して読みやすくした+感情を添えた
になります。
情報に感情を添えるのが大事
私が情報発信の講座などで講師をつとめる際は、「情報+感情」で伝えたいことは広がりやすいとよく伝えています。実際、上記の投稿内容がリツイートされているか、ファボられているかどうか見れば一目瞭然でわかります。
誰に向けた発信なのか
また、これは私の想像ですが、1と2は「みんな」に語りかけていますが、3の後半は被災した「あなた」に語りかけている、ように感じられます。
被災した人が励まされる。
それを読んでいる人は応援したくなる。
だからシェアされやすくなる。
その結果、「長野県防災」公式Twitterのアカウントを知らなかった人にまで情報が広がる。ひとつのツイートでリアルタイムに状況が好転しているかもしれません。
まとめ
たまたま目に止まった情報をピックアップしましたが、実例1が必ずしも悪いわけではありません。まったく発信していない自治体もありますし、そもそも防災用のアカウントを用意していない自治体もあります。発信してくれているだけありがたいです。
今後、自治体で防災を担当される方にとって参考になればと思います。
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