来週、生駒市役所へ取材に伺うので書店でよく同じ棚に並ぶ「生駒市発!『自治体3.0』のまちづくり」をゲットしました。
本書では生駒市のまちづくりの考え方(一章)、その実践(二章三章)、今後の展開(四章)が読めます。
「市民と行政がタッグを組む!」とはどういう意味か?
【一章】自治体3.0? 市民と行政がタッグを組むという考え方
一章で自治体3.0とは何かの説明は、はらしょさんの動画やダイヤモンド・オンラインの記事「市民と行政がともに汗をかかない自治体は崩壊する」がわかりやすいです。
【二章三章】生駒市の取り組みについて
二章三章の生駒市の取り組みについては、納さんの感想がわかりやすいです。
いこまち宣伝部
自分が気になったのは著書にも書いている「いこまち宣伝部」です。

【四章】今後の展開について
四章は全体的に自分と考え方が近いなあと思いながら読みました。
本書全体に漂う違和感
職業柄、本や記事を読むと無意識に構成が気になってしまい、純粋に内容が楽しめなくなるときがあります。たぶん市役所内に仲の良い職員さんが多く、どんな取り組みをしているのかを具体的に知っているまちなので、余計に構成や中身の解像度が気になるのだと思います。一応気になったところのメモ。
強い言葉遣いが溢れている
「見逃すな」とか「シニアを引っ張り出そう」とか、強い言葉があふれて、「誰に向けて言っているんだろう?」という気持ちになります。good cycle ikomaなどで読むような言葉のチョイスとだいぶ違って同じまちなの?という気分に。
生駒市の背景が書かれていない
過去に生駒山プロジェクトの一環で宝山寺駅から歩いて山に登っていたのですが、あのまちの特徴はさまざまな宗教の聖地であることと、近鉄との関係など、まちを形成する背景の情報がないと、どんなまちなのか行ったことがない人が読むとピンとこないと思います。
現場で働く職員が登場しない
強い言葉遣いと呼応して、すべて市長目線の一人称で、実際に働く職員が登場しないので現場の試行錯誤が見えてこない。職員が汗をかく、以下の職員の協創力の考え方が出てきますが、
1. 協創できる市民を見つける高いアンテナと会いに行く行動力
2. 協創の事業を創るコミュニケーション力と企画力
3. 市民との協創を行政組織内で説得する力
それを実践している職員が登場しないので物足りなく感じました。
つまりこれらの違和感は自分が編集者ならこの情報を盛り込みたいなあという内容です。
本書の物足りない部分を補足するまとめ
というわけで、この本を補足するために、ほかのメディアで紹介されている文脈の中から気になる箇所を抜き出して勝手に再編集しておこうと思います。
#生駒は違う
ファンづくりで地域をつくる


・生駒市は全国で2番目に県外就業率の高い市
・広報誌を使って地域をつくることこそが大切
・ちょっとおしゃれに、ちょっと楽しくデザインすることで、暮らすまちとしてのブランド力を高めていくことこそが、生駒のシティプロモーションだ
・私たちの仕事は「場」をつくることだ
・地域の魅力は新しく作るんじゃなくて編集すればいい
・「シティプロモーションの目的は、市外向けに情報を発信して人口を増やすことじゃない」「推奨者と参画者を増やすことで地道だけれど確実な成果を出すんです」と何のデータもないのに、もっともらしく唱え続けました。理解してくださる市長の存在はとても大きいです。
奈良県生駒市 × エン・ジャパン

定住率

市民と行政がタッグを組み、ともに汗をかくことを「自治体3.0」と言う。それは感覚的なものではなく、市民意識調査の結果に裏付けられている。市民の定住意向率は84.7%ととんでもなく高い数値が出ている。その性質を見ると、まちづくりに積極的に取り組んでいる人の定住意向や満足度が高い。もちろん定住意向が強いからまちづくりに取り組むということも考えられるが、生駒市は住宅都市であるから、利便性により選んでいる人も多くいると考えられる。だから必ずしも定住意向が強ければまちづくりに取り組むとは言い切れない。
自治体3.0の原点
いこまとりっぷ
こみすて

まとめ
まだ全然まとまっていませんが、取り急ぎ。